マクノート彗星、その後は・・・ by ラクダおやじ


2007年3月10日夜
皆様こんにちわ。証拠にもなく撮影を開始しました。でも真っ暗になってから月が出るまでの30分間くらいだけです。この日はその30分間に曇られてしまい、撤収をしようと思ったら晴れてきました。しかし、既に月が出た後。露出をかけられないので、固定撮影で20秒だけにしました。ISOも3200まで上げたので、ノイジーですがご了承下さい。
画像中央にエメラルドグリーン色の星が見えますか?これがマクノート彗星です。やはり露出が短いので、尾が薄っすらとしか写っていません。これから暗夜で天候が良い時は長時間露光をしてみたいと思っています。お楽しみに。

そうそうこちらさんも本を送って下さいました。私のベストショット2枚をドアップで載せて下さいました。
 
こちらの科学雑誌ニュートンさんは、全てのページで画像が大きく背景も黒くされているので、写真や画像が浮かび上がって大変奇麗です。流石はニュートンさん、素晴らしい内容に思わず熟読コースを進みそうです。一切本を読まない私がです。

いやぁここまで来ると老後の楽しみ状態であります。先程フィンランドの天文雑誌社から製本が送られてきて、マクノート彗星のコーナーに写真を提供した人達への手紙も入っていました。そこにはこの世界では有名な方の名前が並び、私の名前も発見者であるRobert McNaughtさんの下に並んでいます。たった一枚の紙ですが、これだけ光栄なことはありません。

さて肝心の彗星ですが、日中は晴れ間もあるのですが、全体的には曇りがちの天気が続いており、撮影の機会を逃しています。



2007年3月17日夜
秋になる準備をしているのでしょう。雲が多い天気が続いていましたが、今晩は透き通った夜空が見えてきましたので久しぶりに出撃してみました。しかし、途中から雲が出てきて、こんな写真しか撮れませんでした。週明けは天候も良いそうです。
50ミリレンズでの撮影です。小マゼラン星雲とNGC104星団に近づいてきましたね。尾もまだ健在です。双眼鏡でも3度ほどの尾が見えていますよ。

210ミリ望遠です。これも雲が邪魔してくれていますね。ご覧の通りV字に広がる尾は健在です。

そして15ミリレンズで撮りました。雲がかかっているので、今ひとつ見辛いと思いますが、彗星はこんなに小さくなってしまいました。朝4時頃の撮影ですので、南十字も西の空へと傾き始めています。

そうこうしている間に新彗星がインディアン座で見つかりました。発見者はまたまたオーストラリア人でラヴジョイさん。インディアン座と言えば、マクノート彗星が通って来た星座ですので、直ぐ上の写真で例えますと、マクノート彗星の左手にあります。既に9等級だそうですね。撮れるかどうか分かりませんが、狙ってみたいと思います。
●ラヴジョイ彗星の座標が分かったので調べてみたら、「低くっ」というのが第一印象。薄明終了時の午後8時43分頃は、なんと南の地平線スレスレの高度7度程度。まあここは地平線まで星が見渡せるので心配していませんが、相手が9等級なので夜明け前に高度が上がってくるのを待った方が良さそうです。夜明け前には高度40を超えてきます。現在彗星はインディアン座の左手首辺りにいるようです。



3月22日夜〜23日夜明けまで
いやぁ、久しぶりに出撃の時間が取れました。しかし、空は快晴ながらも霞んでおり、いつものクリアーな空ではありませんでした。
エメラルドグリーンの彗星が御覧頂けると思います。尾も見えていますね。双眼鏡でも奇麗に見えています。小マゼラン星雲に近づいてきましたねぇ。こんな2ショットが撮れるのも、南半球ならでは。50ミリレンズ使用。

感度をISO1600まで上げているので、画像が粗くて恐縮です。210ミリにて撮影。

とうとう彗星の2ショットを撮りました。マクノートは右に進んでおり、ラヴジョイは左に進んでいます。マクノートは尾も健在ですが、ラヴジョイは9等級で尾は今の所ないようです。28ミリレンズ使用。

サザンオールスターズと2つの彗星の共演です。15ミリ対角魚眼レンズ使用



2007年3月24日夜〜25日夜明け前まで
出たぁ再びオーロラ
固定撮影で撮ったのですが、画面左半分に赤の上に出現すると言われている紫と青のオーロラも写っていますね。
今回もマクノート彗星とオーロラの共演を撮る事が出来ました。露出時間を彗星に合わせた為に、オーロラの色が飛んでしまっています。
とりあえず全部入れて撮ってみました(笑)。でもまだ露出時間が長くて、オーロラが飛んでしまいました。
やはりこのくらいの露出が適当。露出は120秒です。上の3枚の写真は彗星を基準に撮ったので、露出オーバーですね。
まだまだ明るいですよ。
来月中旬には、この小マゼラン星雲に接近するマクノート彗星ですが、、どんな写真が撮れるのでしょうね。



2007年4月22日深夜〜23日夜明けまで
すみません。小マゼランと並んでいる所を撮るつもりだったのですが、真夜中まで仕事をしていて出撃が出来ませんでした。
暗くなりましたね。これが最後の一枚になるでしょうか。聞いた所によると、6万年程で回帰してくるそうですね。その時も、今回のような出現になると良いですね。生まれ変わってまた会いたいですね。本当に偉大な彗星になりました。でも何故日本では報道も少なかったのでしょうね。

最後の最後までごらん頂きありがとうございました。
彗星は小さく暗くなってしまいましたが、クィーンズタウン在住の皆様は口を揃えてこの彗星の偉大さを語ってくれます。2007年1月23日の夕暮れ、多くの方が夜空を見上げていたそうです。
私の3年間の厄年もその夜に吹き飛んでいったようです。次の日からは見違えるようにスムースに時が流れていきましたから。
そして毎日世界中からオファーの嵐を経験し、日本のアストロアーツ社からはエッセイのオファーもあり、オンラインショップで私の写真集も取り扱って下さる様になりました。現在昼間は旅行会社の仕事をし、夜はスターウォッチングツアーを運営しています。

クィーンズタウンにお越しの節は、どうぞ美しい夜空を見に行きましょう。南天の夜空に浮かぶ宝石巡りにご案内致します。
長い間、ありがとうございました。

米戸 実












inserted by FC2 system