ニュージーランドのオーロラについて


1、序章

皆様の中で、「オーロラは寒い時にしか出現しない」と思い込んでいる方はいませんか?実は違います。
オーロラと言えばカナダ北部、アラスカ、スカンジナビアの各所が有名ですが、夏の間は白夜の為にオーロラの姿を見定める事が難しいだけなのです。冬は夜が長いので、オーロラ遭遇のチャンスが増える為の勘違いですね。
オーロラは太陽が放つ風の中に地球が収まった時に出現するものであり、気温は余り関係が無いと言えるでしょう。ここニュージーランドには白夜もなく、気温も温暖です。南十字をはじめとする夜空に浮かぶ宝石達を、一年中素晴らしい環境の下で見る事が出来ます。それらがオーロラに隠される姿は圧巻です。


2、地球は大きな磁石

オーロラが北極や南極に近い所で見られるのは周知の事実ですが、これには「地球という大きな磁石」が深く関係しています。
太陽からやってくる風の中には、プラズマを帯びた物体が多数含まれており、人体に悪影響をもたらします。
早い話、電子レンジの中で飛び交っている物体と同じと考えて下さい。動物がこれを浴びたら、生存出来ないでしょうね。しかし、我々は生きています。何故でしょうか?

それは、我々の地球には磁場が存在し、太陽からの風に対して大きなバリアを形成しているからなのです。
下図をご覧下さいませ。中心に地球があります。散らばった砂鉄の上に棒磁石を置くと、この様な模様になったのを覚えておられますか?図中の黒い線、これが磁力線です。




  
この図で左手に太陽があり、右に向かって風が吹いています。ご覧の通り、地球の磁場が発する磁力線が、太陽風によって歪な形に変えられていますが、しっかりと地球を守ってくれています。もし地球にこの磁場が無ければ、我々は生きられないのです。
しかし、オーロラはこのプラズマが地表近くまで達して、酸素や窒素と衝突して発光する現象です。では、いったい何処から進入してくるのでしょうか?しかも右半分の夜側に。

もう一度、図を御覧下さい。実は、一度通り過ぎてしまった太陽風が、地球の磁力線に沿って地球までUターンしてくるのです。これが地球の夜側、しかも両極地方に達してオーロラを出現させるメカニズムです。何故プラズマがUターンして来るのかは、科学的に未だ解明されていないそうです。




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