いつかこんな日が来るだろうと思って南半球に住んでいました

世紀の大彗星マクノート彗星のページ by ラクダおやじ

Welcome to this page "Comet McNaught" the best one last 70 years


Dear Sir/Madam
Please accept my apology this website is currently operating in Japanese Language only, however I hope you can still enjoy the image of Comet Mcnaught on this page. You can see such a writing in Japanese "2007年1月24日", this means 24th of January 2007. The new data allocated to the bottom of the page. I also hope you can enjoy to see images of Southern Lights, too. Please click this. Have a fun!
Minoru Yoneto



マクノート彗星観測初日(2007年1月14日)
なんと白昼に双眼鏡で尾まで見てしまった。しかし、日没時はこんな天気になってしまいました。一眼デジカメに500ミリレンズ使用。明日は皆さんの真似をして、白昼の彗星を撮ってみたいと思います。



2日目(2007年1月15日)
白昼の観測では肉眼で尾まで見えてしまいました。こんな彗星に出会ったのは初めてです。調べた所、小生が1歳の時に発見された「池谷・関彗星」がここ何十年で最も明るい彗星だったようです。お二人の日本人コメットハンターの名前がついた有名な彗星ですね。これが、マイナス7等星とか8等星とかになったそうで、昼間でも見えたそうです。まあ御覧の様に、小生も白昼に肉眼で尾まで見る事が出来て、感無量であります。

夕方の撮影は雲に何度も阻まれましたが、何とか撮れました。明日も頑張ります。
白昼の彗星 − 北中前に撮影したので、尾が右にあります 何と午後9時53分の撮影−夕焼けが午前0時頃まで続きます


その拡大したもの サザンアルプスに沈むなんて格好良いです



3日目(2007年1月16日)
今朝は北島オークランドを中心に発行部数を誇る「NZヘラルド」という新聞会社の方から電話を頂戴し、起床しました。早い話、インタビューをされてしまいました。新聞に載せるので写真も送ってくれって。どうも、小生が今朝、アメリカ航空宇宙局、通称NASAが運営する宇宙天気サイト、spaceweather.com (サイトはこちら)に、15日の右上の写真を投稿しておいたのですが、それを見て電話をかけてきたみたいです。もしかしたら、1月17日付のヘラルド新聞に写真が載るかも・・・(笑)。

さて本日ですが、いやぁ雲が多くて出撃するのもはばかれる感じでした。しかし、とりあえず行ってみないと分からないのが天気。クィーンズタウンの高台に陣取りました。
こんな雲の切れ間しかないのに、良くぞ撮れたものです 銀塩換算で1050ミリのレンズなので移動速度が凄い



4日目(2007年1月17日)
いやぁ、心配しましたよ。実は、昨日まで白昼に見えていた彗星が、今日は炎天下では見えなかったんですよ。もしかして「消滅した???」とか要らぬ心配をしていたのですが、日没後随分経ってからキウイの友人が双眼鏡で発見してくれました。
最初は彗星核しか見えなかったのですが、サザンアルプスに沈む頃には、約7度の尾を肉眼で確認出来ました。それにしても昼間は雲一つない快晴なのに、日没時にだけ雲が出てくるのは、ち〜と意地悪なんでぇねいの?だって、真っ暗になるまでキウイの友人と話し込んでいたら、南天の大銀河がバッチリ見えてるし。
明るい内はまだ尾も短いが・・・ サザンアルプスに沈む頃には・・・

尾がはみ出していることに気が付いて急遽縦構図に・・・ 沈んでからも、どんどん尾が長くなってきてきました

もっと低いところまで撮影できたらより長い尾が撮影出来るに違いありませんが、ここにはサザンアルプスがあって、おまけに日没後も2時間は夕焼けが続くのである。Pentax *ist Ds + SMC500mmF4.5 レンズ使用



5日目(2007年1月18日)
全くもって天候には恵まれておりません。昨日も長い尾が撮れましたが、生憎雲の中の画像となってしまいました。今日は一昨日と同様の天候となり、普通なら出撃しないところですが、やはり雲間から見られるかもしれないと思い、とりあえず出撃してみました。
今日は20枚しか撮れませんでしたが、これが一番マシ 相変わらず尾は健在です

帰宅して、いつもの様にspaceweather.comをチェックしてみたら、度肝を抜かれる写真が投稿されていました。 それは、いつぞや白黒写真で見たウエスト彗星そっくりの写真でした。それも9秒も露出して、彗星核が流れるのを覚悟したものです。でもあれは間違いなくウエスト彗星の再来を思わせる写真です。500ミリの望遠で、核付近だけを撮っている場合ではない。小生も明日から赤道儀でガイド撮影じゃあ。でも毎日こんなに曇られると参ってしまう。昼間は快晴なのに。



6日目(2007年1月19日)
今日はもっと酷いですよ。写真がないんです。あるのはこれだけです。御覧の通り、小生の住むニュージーランド南島は、一部を除いて全て雲に覆われています。

梅雨にでも入ったんかぃ、えっ!

しかし、尾だけでも北半球から見えているそうじゃないですか。それをヒントに、ここ南緯45度で計算すると、尾は一晩中出ていることになります。尾が地面の中で南中するのが、午前2時35分くらいなのですが、その時の彗星高度はマイナス7度くらいなので、計算上では一晩中尾の撮影が可能になります。
しかし、しかしですよ、雲に覆われてはどうしようもありません。夜明けの彗星も狙える頃なのですが、これから4・5日間は天候が悪いそうです。

ここには梅雨はないぞ!エルニーニョさんよ。ちなみに撮影地を求めて140キロも走ったのは私です。天候が回復したら(悪い方へ向かっていますが)朝の彗星を撮ってやる!



7日目(2007年1月20日)
夜の間に更新できませんでした。何故なら朝8時に帰ってきたからです。そして撮影した枚数は今日も「0」です。
言葉になりません。全く天候がダメです。今日は違うサイトの画像御覧下さい。



ニュージーランドが何処にあるかお分かりになりますか?
オーストラリア北部から連なる雲が右下まで繋がっていますね。この右下にニュージーランドがあるのです。これで低空の彗星を写せる訳がございません。ちなみにこの雲ですが、これから数日間居座るそうです。

午前2時25分に出発し、衛星写真で晴れていた南を目指したのですが、現地に着いたら「霧」でした。何も見えませんでした。

総走行距離は450キロでした。東京からだと琵琶湖くらいになりますか?それで撮った写真は無いのですから、なんと燃費の悪い趣味だこと(笑)。
帰宅してみたら、ボンネット先端と車体の間にある1センチ以下の隙間に、鳥が2匹挟まっていました。走行中にひいてしまいました。
あとポッサムも2匹、ペシャンコにしておきました(大爆笑)



8日目(2007年1月21日)
今日はもう走り疲れたので、いつもの場所に出撃して地道に待ちました。しかし雲は切れず、強風が吹き始め撤退。午前1時30分のことでした。
帰宅後、遅めの夕食を頂き衛星の連続写真を確認してみたら、あと数時間で晴れ間がやってくる事が分かり再出撃。しかし彗星の尾をすっぽりと隠す雲が残り、夜明けを迎えてしまいました。追尾撮影の準備も万端だったのに。
写真中央の黒い雲の中に噴水テイルがあります。
朝方の尾は右に倒れた形になります。
追尾撮影で衝撃的な写真を撮るつもりで待っていたのですが

やっと星空を見る事が出来て、これまで1000キロ近くも無駄に走ったこともご破算。この2枚は22日の朝に撮ったものですが、これから晴れ間もあるようなので諦めないで追尾撮影で皆様が驚くような写真を撮りたいと思っています。でも久しぶりにエータカリーナ星雲を見ました。この彗星の発見場でもあるサイディングスプリング天文台のこの写真をみたら断然燃えてきました。
http://msowww.anu.edu.au/~rmn/C2006P1new.htm

今日明日にも周極星になってくれるので、南の地平線に一晩中彗星が沈まない事になります。ということは一晩中忙しい・・・ということであります。さて天候はどうなりますやら。



9日目(2007年1月22日夕方〜23日夜明けまで)
ああ疲れました・・・。一晩中撮影チャンスがあるっていうのは、1986年のハレー彗星をニューカレドニア遠征で撮影した時以来です。あの時も一晩中追尾撮影をしていたのを思い出します。真夜中に夕立みたいな雨が降って、赤道儀一式を持って宿に戻ったり、思わず砂浜で彗星に見守られながらうウトウトと眠ってしまったり。
しかし、ハレー彗星とは規模が違います。寝ている場合ではないのであります。
日没時は天候が悪く、これらの写真は真夜中3時半頃からのショットです。南緯45度地点では、この日から地平線に沈まない「周極星」になります。
小高い丘に邪魔されていますが、尾は一晩中見えています 南東の空から頭が顔を出しました

露出を変えてみたら出初式噴水テイルが消えてしまいました 彗星核はもうかなり暗いですが、そこから伸びる尾が明るい

レンズを換えて撮ってみました 15ミリレンズで南天の銀河(リギルケンタウルス、南十字、エータカリーナ、ニセ十字、大小のマゼラン星雲)と共に撮ってみました。核はまだ丘の向こう側です。
徹夜明けで眠いので、少し寝ます。日没時は天候不良でしたので、これらは夜明けのショットです。



10日目(2007年1月23日夕方〜24日夜明けまで)
やっと晴れました。このまま悪天候が続けば、死んでも死にきれませんし、孫の代までの一大事業になってしまうところでした。数百年に一度の大彗星だと思いますので、これは孫の代でも足りませんが(笑)。
写真が急に大きくなってしまい、負荷のかかる方には大変申し訳ないと思います。しかし、小生はこの写真が撮りたかったのであります。お許し下さいませ。注意して御覧頂くと、左上に向かって赤と青の別の尾が見て頂けると思います。一眼デジカメに50ミリレンズで追尾撮影。

これは一眼デジカメに、28ミリレンズを装着して撮りました。流れ星も写っていますね。イギリス人の友人と話し込んでいて、流れた時は空を見ていませんでした。この写真でも左上に赤と青色の尾が伸びているのが見えます。これがイオンの尾だと思います。

真南を通り過ぎて、徐々に高度が増している頃の写真です。朝方は尾が右に倒れてしまいます。
今日から地平線に沈まない「周極星」になる日。しかし、ここはサザンアルプスに取り囲まれた地。スキー場の駐車場から撮りました。あと数日もすれば、こんな高い所に登らなくとも軽〜く見えるようになります。ここは南緯45度ですから。



11日目(2007年1月24日夕方〜25日夜明け直前まで)
まあ皆さん聞いて下さいよ。こんな事ってあっても良いのでしょ〜か。ここ数日間は毎日追尾撮影といって、星の動きに合わせてカメラも動かす方法で撮影を続けているのですが、今日はそのセッティングが完了して、さあ一枚目を撮ろうとしたら彗星核が突然現れた雲の中に消えていってしまったのです。
コラー!望遠鏡の極軸を合わせるのにどれだけ苦労すると思ってねん。
ボヤキでした(笑)。
時既に遅し・・・。彗星核は憎たらしいくらいに黒い雲の中に消えていきました。その雲に街明かりが反射して、こんな色に写るんですね。

それでも可能性を求めてひたすら晴天域に出現してくれないか、雲が切れてくれないか・・・と結局午前3時30分頃まで粘ってしまいました。でも奴は二度とその姿を現しませんでした。
昨日の雲一つ無い晴天の再来かと思ったのつかの間、それも午後11時くらいまでしか続きませんでした。その後は同じくスターウォチングツアーを運営する仲間と久しぶりの談話で、地平線に沈まなくなった、いわゆる周極星になったこの大彗星の姿を見ながら盛り上がりました。男同士で真っ暗なお互いの顔も見えない状態での会話ですわ、ああ気持ち悪い!(笑)



12日目(2007年1月25日)
今日は完敗です。雲が厚く、何処へ行こうとも雲には勝てそうもありませんでしたので、完全休養日としました。たまにはええやろ。
しかし、翌日は自動車2種免許の試験日で、逆に好都合でした。



13日目(2007年1月26日夕方〜27日夜明けまで)
誰もが今晩の天候は悪いと思ったに違いありません。しかし探せばあるものですね。何とかなりました。行動あるのみであります。しかし、睡眠時間を減らしての参戦なので、かなり毎日眠いです。帰路の運転は睡魔との闘いになりました。
日没から少しの間は月明かりが邪魔をしているので空が明るく、尾の詳細が写ってくれなくなりました。

対角魚眼レンズで南天の星々と一緒に、一晩中地平線に沈む事が無くなった彗星を写してみました。早い話、周極星になった彗星を撮ったわけです。でも一眼デジカメでの撮影なので、左上に写っている南十字星の上に位置するエータカリーナ星雲が赤ではなく紫色に写ってしまいます。早くカメラを改造したいです。
今度は対角魚眼レンズを横画面で使ってみました。画像左下の明るい星が木星で、その上のオレンジ色の星がさそり座の1等星アンタレスです。横たわるさそり座と南天の銀河、そしてマクノート彗星のショットです。

2枚目と3枚目の写真は月が地平線に沈んでからのものですから、1枚目と空の黒さを比べてみて下さい。また彗星が小マゼラン星雲を飲み込む日も差ほど遠くないような気がします。お楽しみに。ちなみに尾の長さですが、1等星アケルナルまで伸びているのが肉眼で見られます。45度はあるでしょうか。



14日目(2007年1月27日夕方〜28日夜明け)
今日はスターウォッチングツアーにご予約を頂戴したので、午後10時30分よりお客様5名様を素晴らしい夜空にご案内してからの出撃となりました。お客様の中には「参加して専門家の説明を聞いて良かった」と言って下さる方もいて、おまけに大彗星は真正面に見えているしで、大変喜んで頂けた様です。時間も30分ほど長くなってしまい、少し喋り過ぎました(笑)。
15ミリ対角魚眼レンズで真正面に入れてみました。画像中央上に小マゼラン星雲とNGC104という星団、尾の先の明るい星が1等星アケルナルです。広角レンズで撮っているのに、尾が大きくて長いので、決して見劣りがしない感じですね。

南半球の星の動きを見て下さい。もう少し露出時間が長くても良かったですね。彗星が一晩中地平線に沈まないのがお分かり頂けると思います。何度も言いますが、ここは南緯45度です。南十字も一年中地平線に沈むことはありません。

そろそろ月が大きくなってきたので、今日は午前1時前に撮影のスタンバイを完了しました。薄明開始が午前4時20分頃なので、3時間ほど撮影を楽しめました。しかし、これだけの規模の彗星です。満月でも余裕で撮影が出来そうです。それよりも寝る時間をくれ!(笑)



15日目(2007年1月28日夕方〜29日早朝)
今日もスターウォッチングツアーのご予約を頂戴して、先程好天の中でツアーを終えたばかりです。月が大きくなってきているので、午前2時頃の月没を狙って出撃しようと思っていました。しかし、今自宅でビールを飲んでいます。時間は29日午前4時前です。空は雲ひとつ無い素晴らしい夜です。では何故、自宅でビールなんぞ飲んでいるのでしょうか?
1、彗星撮影に疲れた
2、彗星撮影に飽きた
3、私の身に何かが起こった
4、その他
答えはさて、どれでしょうか?ちなみに、撮影機材一式は車内にあり、服装も深夜であるのことを考えて、スキーパンツも履いています。頭にはスキー帽子とLEDライトもつけています。

答えは4番。さて一体何が起きたのでしょうか?
実は、撮影地に出発しようとして機材一式を載せて車体後部荷物室のドアを閉めたんです。すると車の鍵が無い事に気が付きました。LEDライトで車体横から荷物室を照らすと、鍵が荷物室に残されています。そうなんです、荷物室に荷物と一緒に鍵を閉じ込めたという珍しいケースが発生したんです(笑)。
予備の鍵があるのですが、この鍵も今朝の出撃の際に使って、そのまま行方不明になっています。大捜索の甲斐も無く、この予備の鍵も見つかっておりません(笑)。
針金タイプのハンガーを駆使して、ドアをこじ開けようとしましたが、近所迷惑の為に断念。結構煩いですから。
そこでお詫びの意味も込めて、28日午前4時過ぎに撮影した夜明け前の彗星と、南天の星々を見てやって下さいませ。しかし、チョンボした!



16日目(2007年1月29日夕方〜30日夜明け)
出たぁ〜、オーロラだ!
寒冷前線が通過して、時雨れる天気だったのですが、午前2時過ぎには南の空に星が戻ってきたのが自宅から見えました。空が白んでくるのが午前4時30分頃なので、2時間弱しか撮影出来ませんが、とにかく出撃することにしました。結局この決断が功を奏し、高速太陽風によるオーロラの出現と相成り申した。
ここクィーンズタウンでは、この様にオーロラが見られるわ、満天の星は見えるわ、マクノート彗星も見えるわ・・・で、現在天国のような所になっております(笑)。
手の震えが止まりませんでした。大彗星マクノートは写るわ、オーロラは写るわ。こんな派手な演出、誰が考えたんやろうかぁ。そうそう、クィーンズタウンのオーロラは緑色より、その上に出現する赤色、紫色の出現の方が多いです。

午前3時30分頃なのに天文仲間に電話を入れていたら、シャッターを閉めるのを忘れて露出が長くなりました。ご愛嬌という事で。主役の彗星が、脇役になってしまった瞬間です。

オーロラが終息気味になってからのショットなのですが、依然彗星の尾がオーロラに消されてしまっています。

午前3時頃に撮った一枚目を確認して驚きました。既に彗星の右下に緑色のオーロラが写っており、「どうしよう・・・どうしよう・・・」と全身を震わせてカチンコチンになっていたら、瞬く間に夜空に向かって光の柱が伸びてきました。オーロラは夜明けまで続いていたのですが、薄明には勝てませんでした。
寒冷前線が通過した後だったので、撮影地に選んだ山の気温は摂氏3度。日中も15度程度までしか上がりませんでしたが、これでも真夏です。一日の中に四季がある所なのですよ。ワインが美味しいわけだ。



17日目(2007年1月30日夜)
今日は前線の通過で雲が多く、朝まで好天は見込めないのと、それと寝ていなかったからでしょうけど睡魔に襲われて、なんと8時間も寝てしまいました。しかし、昨晩から始まった「世界中からメールの雨嵐」は、起床しても変わらず、コロンビア、ブラジル、オランダ、英国、ベルギー、アメリカ、日本・・・と受信メールが連なっていました。spaceweather.comを見た方達からのメールなのですが、どれも優しい文章で助かりました。「この写真を皆にも見せてくれて感謝します」と言った内容ばかりでした。

今日から月明かりが邪魔をする日となり、長い尾が写らない可能性もありますが、今晩も寒冷前線が通過して晴天が見込めるので、出撃してみたいと思います。オーロラは出ないと思いますが・・・。



18日目(2007年1月31日夕方〜2月1日夜明け)
いやぁ月がめっちゃ明るいですわ。読書が出来る程でっせ。まあここにはネオンなんぞないからして、月明かりが目立つのだろうとは思いますけど、地平線まで星がダイヤモンドの様に見えるからして、空気が奇麗だから月も明るくなるんやろうなぁ。
月明かりの為に、ファインダー越しに彗星を確認しにくい状態です。真っ暗だと、5分間の追尾撮影で、感度もISO800といきたい所ですが、このショットはISO200で60秒です。隣で撮影中の相棒は、追尾せずに三脚での固定撮影をしていました。苦労して極軸を合わせたのに(笑)。

28ミリ広角レンズでのショットです。サザンアルプスの写り具合からしてまるで昼間に撮ったみたいですね。月明かりの強さを実感してみて下さい。山の手前には、98%の純度をたたえるワカティプ湖があります。

上の2枚の写真を撮って、その場所から撤収。近所の山のくぼみが見える所まで移動しました。もう周極星になって8日。随分高度が増し、態々山の上に上がらなくても撮影が可能だと悟りました。真横を長距離トラックが通り過ぎて行きました。これを狙っていたのですが、80分で通過した車はたったの4台でした。そりゃそうでしょ。午前3時から4時15分という時間帯でしたから。



19日目(2007年2月1日夜〜翌朝)
いやぁ、星景写真撮影のチャンスなのですが、雲が多くて断念しました。一応仕事をしながら、午前4時30分の薄明まで待ってみたのですがね。お陰様で、溜まっていた仕事を一気に処理しようとしまいたが、完全に無理でした(笑)。溜まりすぎです。いわゆる撮影に出かけ過ぎな訳であります。やはり写真は実戦でなんぼのもんやと思いますしね。帰宅してからのパソコンワークが全盛の時代のようですが、小生には今の所受け入れられない感じです。
早い話、コンポジット(合成)が嫌いなのと、時間がないのと、昔かたぎなんでしょうね。反省もせなアカンね。



20日目(2007年2月2日夜〜翌朝))
すみません、今晩も彗星の写真は撮れませんでした。天頂付近は晴れているのですが、彗星のいるインディアン座付近には雲がかかり、朝まで動きませんでした。実は今晩はもっと悪くて雨模様になるとの事。月明かりがあるので、少し休憩させてもらっています。2月3日の夜からは再び撮影が出来ると思います。 今日は、天頂付近の星座を見てやって下さい。
中央左上に南十字座、そこから右にエータカリーナ星雲、ニセ十字。夜中の撮影だが、満月に照らし出されています。



21日目(2007年2月3日夜〜翌朝)
満月である。しかも雲で星も見えない。こういう時は溜まっている仕事をするべし。結局3夜連続で彗星から遠ざかってしまった。



22日目(2007年2月4日日没〜夜明け)
相変わらず月がまん丸なのだが、PC星座早見盤で確認すると、月が山から顔を出す時間、すなわち午後10時30分頃まで、ほんの十数分だけ条件の良い時間がある事が分かり出撃。かと言っても夕暮れが完全に終っているわけでもなく、暗夜の撮影ではない。
月明かりの中、依然元気な長い尾を見せています。50ミリレンズ使用(銀塩換算75ミリ)。良く見ると尾がはみ出しています。

得意の15ミリ対角魚眼レンズでの撮影ですが、とうとう尾が小マゼンラン星雲を飲み込もうとしている感じです。月明かりがなければ・・・。

天の川、リギルケンタウルス、南十字、小マゼラン星雲、人工衛星、マクノート彗星、サザンアルプス・・・と沢山写っています

母なる湖、ワカティプも照らし出されています。固定撮影で40秒露出。ISOは800。

自宅近くに戻ってきて、固定撮影。まだまだ長い尾が伸びています。早く月の無い暗夜が来ないかと思います。

結局月が昇るも、大きな黒い雲に覆われ、月光を遮ってくれる幸運に見舞われる。これが午前1時40分頃まで続き、結構な枚数を撮る事が出来た理由となる。明日以降は、月出時間が少しずつ遅くなり、暗夜の時間も増えるので、その時間に勝負をかけてみたいと思う。とか言いながら、彗星核は既に4等級。しかし、月明かりの中でその尾は、未だに肉眼で10度も見えている。



22日目(2007年2月5日夜)
色々と撮影場所を変えてみるのですが、何故か湖との2ショットが撮れる所を選んでしまっているようです。別に湖に彗星が反射するのを狙っているわけでもないのですが。いずれにも街中からだと15分で行けてしまう場所です。特に夜半に昇ってくる月を隠そうということで選んでいます。
薄い雲が出てきてしまい、月明かりに照らし出されて尾が写りにくくなってしまいましたが、これも15ミリレンズ(銀塩・フィルムかめら換算22.5ミリ)での撮影ですから、どれだけ尾が長いかお分かり頂けると思います。写真上部の雲が小マゼラン星雲。尾はそこまで届いていると思います。

28ミリ(銀塩換算42ミリ)レンズにて撮影。ISOを400に落として2分ほど追尾撮影をしました。この後白い雲が彗星を覆ってしまい、月も出てきたので帰宅しました。実は今朝は殆ど寝むらせてもらえず、かなり疲れが溜まっているようです。しかし、暗夜が少しずつ増えてくるので、ここで参っているわけには行かないのであります。

ニュース
友人が教えてくれたのですが、2007年3月号の天文雑誌「星ナビ」と「天文ガイド」に小生の写真が大きく掲載されているとのこと。後者「天文ガイド」では、もしかしたら「表紙」に選ばれたのではないかとのこと。まだ現品を拝見していないので何とも申し上げられませんが、彼らのサイトを見る限り「流星の位置」も一致しているので間違いないだろう思います。
お陰様で小生の画像はBBC英国国営放送やアメリカの天文雑誌でも扱って頂いたようです。この月末には、「科学雑誌ニュートン」でも取扱って頂けるようです。大きな画像をご覧になられたい方は、是非お買い求めの上で見てやって下さいませ。



23日目(2007年2月6日日没〜7日午前1時過ぎまで)
今日も湖沿いにやって来ましたが、道中何キロも前の2台の車にブロックされ、一番美味しい時間帯を逃してしまいました。ご存知の方も多いと思いますが、ニュージーランドでは、郊外の最高制限速度が時速100キロなのです。しかし、この日は、ワインディング道を40キロそこそこで走っている車2台に出くわしてしまったのです。お陰様でかなりのタイムロスを産み、月が出る前の長時間露光が出来ませんでした。低速度違反で逮捕するぞ(笑)!
どうせ月が出たなら、追尾撮影をやめて「回してしまえ」状態の写真です。やや左上に星が動いていない領域が御覧頂けると思いますが、その辺りに八分儀座が陣取っています。毎日少しずつ景色が違うことに気づいて頂けますか?

出ました天下の宝刀、70-210ミリズームレンズであります。(1985年購入・笑)。フィルムカメラ換算で315ミリの望遠レンズで撮った写真ということになりますね。彗星核はしっかりとしています。この彗星はあの有名なハレー彗星の様に、何度か太陽に回帰してくる物とは違い、二度と戻ってこない彗星だと言われています。故にこのショットが、事実上の「最後の挨拶」をしたかの様な感じがしています。

俺も彗星を探そうかな!!! ←アホ言え!何処にそんな時間があるねん!



24日目(2007年2月7日夕暮れ)
♪今日は何処へ行こう♪ ♪どこもかしこも雲がちょろちょろあるでぇ♪
で結局行ったのが、昨日のお返しに同じ場所にしました。現地に着いてみると、ハウルの動く城みたいな改造バンが停まっており、お嬢様が4人も集っておいでだった。お構いなく赤道儀を設置していたら、日本人ですかと確認の英語で話しかけられ、流行の日本語で「こんにちわ」ではなく「こんにぃ↑ちわぁ↓」と声を掛けてくる。おまけに小生の周りに集まってきて、スターウォッチングツアーのプチ版が始まってしまった。「こっちは一刻も早く極軸を合わせたいのに」とか思いながら、口だけが勝手に案内を続けてしまった。
そして薄明の中で、月が出るよりマシな情況になったら雲が出てきた。28ミリレンズ使用(銀塩換算42ミリ)。

そして月明かりに影響されてから同じレンズで撮ったショット。月が出ると背景がこんなに青くなってしまうんですね。

うわぁ明日から天気が悪いのに、急に曇り始めてくるんやから。困った困った。しかし、おねーちゃん4人は珍しくおしとやかな感じでした。通常NZ人女性はアジアの男には偏見の目を持っているので話しかけてくる事はまずありません。なのに人懐っこくて、こんな女性ばかりだとNZはもっと平和になるのにと思った次第です。何故ならNZ人女性を人間扱いすると、こちらが参ってしまう位「もの凄いんです」。わめき散らすし、車の運転も酷いし、クラクション鳴らしているのは殆ど女性やし。まあ全員とは言いませんが。



25日目(2007年2月8日夜)
♪窓の外は雨、雨が降ってるぅ♪ 彗星を追いかけて早25日ですが、彗星が出ている時間に雨が降ったのは初めてですね。仕方が無いので、溜まっている仕事を優先したいのですが、アストロアーツ様が星ナビ最新号をわざわざ送って下さいましたので、撮ってみたりして。本人かなり喜んでいます。しかも4枚もの画像を使って頂き、私の下手な文章も載せて下さっています。
星ナビ最新号が3冊も送られてきました。家宝にしたいと思います。シープスキンの上に置いて撮ってみました。


これは私の写真集で使われている画像を寄せ集めたもの。この街ではこんな写真が撮れるんですよ。全てフィルムで撮影したものなので、デジタルとは少し雰囲気が違うと思います。ちなみに1月30日早朝撮影のオーロラ+彗星は、勿論フィルムでも撮影してあります。現在長い旅に出ており、間も無く増感現像されて戻ってくると思います。

まとまった雨が降っています。これで庭の芝生が一気に育ってしまうかも知れません。週末は好天が見込まれていますが、夜は分かりませんね。また星ナビを拝見して感じだ事は、モニターで見るのと違って、書籍はやはり大切だと思いました。温か味が違いますもん。定期購読会員になろうかな。海外に送って下さるのだろうか?



26日目(2007年2月9日夜)
車を運転していたら、その目の前だけが晴れ間で、それ以外は徐々に雲に覆われてkた。日頃の行いだろうか、神様がチャンスをくれたのか。しかし、極軸を合わせて3枚撮影したところでタイムアップ。全天が雲に覆われてしまった。
少しずつ背景が黒味を取り戻して来ましたぞ。暗夜に撮影して、小マゼラン星雲にまで届く尾を早く撮りたいです。



27日目(2007年2月10日夜〜11日午前3時30分まで)
月が出るまでの数十分が勝負なのですが、その時間はやはりスターウォッチングツアーのお客様の為に差し上げて、ツアー終了後の月明かりの中で細々と撮りましてゴザル。
人工衛星なんて大嫌いだぁ。だって、この前後3枚連続で人工衛星が縦横無尽に通過しており、しかも全て尾のド真ん中を一直線なんよ。ええ加減にしてほしいわあ。

雲も大嫌いだぁ(笑)。

早く暗夜で思う存分撮りたいですわ。明日こそ、スターウォッチングツアーの予約が入らないで、一晩中撮りまくりたいです。



28日目(2007年2月11日夜〜12日午前3時まで)
やっとゆっくり暗夜で撮影が出来ると思っていたら、お陰様で今日もスターウォッチングツアーの予約を頂いた。嬉しくて涙がチョチョギレそうである(笑)。
少しシャッターを長く開けすぎました。が、尾が小マゼラン星雲まで届いていないかを検証するためです。写真最上部は小マゼラン星雲の直ぐ側にある星団NGC104。50ミリレンズで撮影。

レンズを28ミリに変更。小マゼラン星雲との2ショットであります。

そしてレンズを私が所有するレンズの中で最も広角な15ミリ対角魚眼レンズに変えると、こんなに沢山写ります。左は天の川で南十字星も写っています。

その縦構図です。大小マゼラン星雲のその上の明るい星が、全天で2番目に明るい恒星カノープス。

下弦の月も一緒に入れると、何となく凄い写真になった気分であります。

月はあるけど、かなり細くなっています。このまま暗夜の時間が長くなれば、また一晩中撮影する事が出来る。また眠れぬ夜がやってくる(笑)。



29日目(2007年2月12日)
今日は朝までお仕事だったので、撮影は出来ませんでした。明日は頑張るぞ。



30日目(2007年2月13日夜〜夜明けまで)
中一日ぶりの撮影はダイナマイト!昨日撮影が出来なかったので、思い切りぶっ飛ばしたいところですが、流石に旅行業界は繁忙期。スターウォッチングツアーをご案内してからの出撃なので、彗星が傾いている写真ばかりで申し訳ありません。が、しかしこの緑色の夜空はなんじゃ!
誰がデザインしたのかは知らないが、突然夜空が緑色に写って、おじさんはさぞかし驚いております。そう、これこそオーロラ第2弾と思われる訳であります。

こらっ、そこの緑色のオーロラ(と思われる)、彗星の尾がおみゃーさんのお陰で見えへんがや。

ここにも緑色の帯が写っており、かなり邪魔であります。右上に写っている小マゼラン星雲まで届く尾を写そうと思っているのに。

左の山陰に月が昇ってきており、かなり明るく写ってしまいまいた。いつか撮った構図のような気がしますが、何卒お許しを(笑)。

星見ツアーでお客様をホテルまで送り届けてからの出撃なのですが、本日も仲良く仲間と出撃であります。彼のキャノン・イオスキッスデジタルでも同様に夜空が緑色に変色しており、小生のカメラの故障ではないようです。
午前5時30分に帰宅後、色々なオーロラ情報のサイトを調べると、まさに高速太陽風が吹き、しかも磁場がかなり南向きの瞬間だったようです。かなりの確立で、この緑色はオーロラだといえるのではないかと思います。試しに、久しぶりにNASA運営のサイトspaceweather.comに投稿してみようと思います。



31日目(2007年2月14日夜〜15日夜明け)
ここ5日間ほど晴れの夜が多く、また月が細くなってきているので、再び朝まで撮影の毎日であります。正直疲れています。今朝は雲海が昇ってきて、最後には山頂駐車場も雲の中に入り万事休す。しかし、奇麗な景色を見ながら、再びオーロラとのランデブーショットを撮る事が出来ました。
オーロラの事を日本語では極光と言いますが、まさに遠方南極方向に輝く緑と淡い赤色オーロラとのランデブーです。高い山の上まで登って来て良かったです。眼下には雲海が広がってきました。

淡い淡いオーロラです。流れ星も写っていますね。

時間が経つとオーロラも大人しくなって来ました。大マゼランと小マゼランと一緒に写してみました。

朝方にはオーロラも見えなくなってしまいました。この後、眼下の雲海が撮影場所まで上がって来て、一瞬のうちに目の前が真っ白になってしまいました。15日目にご紹介させて頂いた画像から見ると、彗星も結構移動していますね。



32日目(2007年2月15日夜)
ここ何日も晴天が続き、流石は2月と思わせる天候です。そんな中、骨休めの日がやってきました。今晩は雲に覆われてくれて、久しぶりの休みが取れる。曇天が続けば撮影が出来ないので苛立つし、かと言ってこれだけ晴天が続けば疲れるし。贅沢ですね。



33日目(2007年2月16日夜〜17日夜明け前まで)
さあ待望の新月がやってきました。朝まで月明かりは皆無。真っ暗なクィーンズタウンで、ガイド撮影しまくり。
今日はスターウォッチングツアーへの予約がなかったので、御覧の様に「立った彗星」の姿を久しぶりに撮る事が出来ました。流石は暗夜。尾がまだまだ健在なのがお分かり頂けると思います。

こらぁそこ流星!勝手に横切るな。

そして夜明け前になり、東の空からさそり座が昇ってきました。ちなみに撮影地は自宅から車で10分弱の場所です。羨ましい?是非クィーンズタウンにお越し下さいませ。昼間は100を越えるアクティビティで、夜はスターウォッチング。いったいいつ寝るねん!



34日目(2007年2月17日夜〜18日夜明け)
撮影を開始して早1ヶ月。先月の今日に撮影した画像と比べても、その変化は著しい。新月を向かえ、空が暗いので結構無茶も出来ます。
今日は湖の浜辺で撮ってみました。まだまだ尾が長〜い。
感度を落として撮影すると、こんな感じになります。
月が無いので、思わず他の天体にも手を伸ばしてしまうのである。大マゼラン星雲です。
小マゼラン星雲とNGC104
そして、朝方の彗星



35日目(2007年2月18日夜
今日も元気に出撃である。雲行きが怪しいが、何が起こるか分からないのでまずはシャッターを開けてみることにする。しかし、数枚撮ったところで雲に覆われてしまった。衛星写真を調べておいてよかった。
今まで単にRAWで撮影して、原本のまま現像をしただけの画像を公開して来たが、今日は少し「見た目」に近づける為に画像を触ってみた。双眼鏡で見る姿はこんな感じだとだけ付け加えておきまっさ。



36日目(2007年2月19日夜〜20日夜明け前)
今晩も優勢な高気圧の圏内で晴れ間が広がり、スターウォッチングツアーの方も無事出来ました。3枚目にあるように、夜明け直前の天の川が一番濃い所と並べて撮る事が出きました。
今朝撮影のマクノート彗星と小マゼラン星雲を、下の画像で反転させて尾の長さを調べてみました。残念ながら星雲まで届いていた尾は、その長さを短くしており、そろそろ数万年の旅の準備を完了したかのようです。

そして、空が白み始める寸前の南東の空です。さそり座と射手座が高く昇り、木星と火星も見えます。これの構図をなかなか取れなくて苦戦していましたが、やはり撮影地はいつもの場所でした。



37日目(2007年2月20日)
日付けが変わる頃はまだ晴れていたのですが、気象衛星の写真を見るとその後雲が覆って来そうだったので、今晩は寝ることにしました。正直疲れているんでしょう。望遠鏡土台を組み立てるパワーも残っていませんでした。これからは不定期更新にしようと思いました。予めご了承下さい。
 
そこで今日は先日一眼デジカメで撮影した写真(左)と、3年前のリニア・ニート両肉眼等級彗星が飛来した時にフィルムで撮った写真を比べて見たいと思います。構図は殆ど同じですね。露出時間が違うので明暗が分かれてしまっていますが、今日は画像右上の赤い星雲にスポットを当てます。

どうですか、フィルムの方が赤く写っているのがお分かり頂けますよね?一眼デジカメで撮ると、赤い星雲が出す水素の波長をデジカメのフィルターが80%も除去してしまうそうです。同じようにオーロラの赤も60%も除去されてしまうことが判明しており、出来るだけフィルムで撮りたいと考えています。

このフィルターを変更してしまう荒療法もありますので、今後オーロラを撮影することも考えて、早めにこの手術を受けたいと思っています。しかし、そのカメラでは二度と昼間の撮影が出来なくなってしまいますが。



38日目(2007年2月21日)
おっと雲っている。故にここは切り替えも早く、さそり座で発見されたという新星があると聞いたので、早速ここ数日で撮影した画像の中から、その新星と思われる星が徐々に明るくなっていく様を追ってみた。しかし、良くぞこんな星を探し出すものだと感心する。発見される前から毎日の様に撮影している小生は全く気が付いていないのも事実だ。
2月11日

2月13日

2月14日

2月16日

2月17日

2月18日

2月19日

お詫び
上記7枚の画像に写っておりますさそり座の新星はV1208ではなく、V1280が正しい符号です。

この新星の名前はさそり座V1280と呼ばれているようで、明るさが変わる「変光星」として扱われるようだ。しかし数万個もの星が見えるのに、こんな暗い星を良くぞ探し当てられたと思う。彗星もそうだが、発見のコツを伝授して頂きたいと思う。米戸彗星とか小惑星ヨネトといった名前を付けてみたいものだ(笑)。



39日目(2007年2月22日)
クィーンズタウンは雨になってしまいました。秋雨前線が居座る様な気圧配置になっており、もしかしたらこのまま秋に突入してしまうかも知れません。



40日目(2007年2月23日)
日没時から天候が変わり安く、晴れ間を求めて行ったり来たりしてしまいました。結局落ち着いたのは自宅から10分の真っ暗な場所。そこだけ晴れていたのです。朝方は周辺の雲も消えうせて快晴になりましたが。
まずはいつも通り、50ミリレンズで小マゼランとの比較。まだまだ尾が長く、肉眼でも十分見えています。と言えるのは、ここクィーンズタウンの夜空が素晴らしいから。流石に都会では見えないと思います。

これもいつもの構図。過去の画像と比較して頂こうと思い、ワンパターンですが見てやって下さい。

これはさそり座のアップ。新星が2つも見つかっているので撮ってみました。しかし、どうやったらこんな星の中から新星を発見出来るのでしょうか?どんな特別な探し方があるというのか・・・(笑)。

28ミリレンズで大小マゼラン星雲と。殆ど一直線ですね。

さそり座中心部。いったい幾つの星が写っているのだろう。

標高2315メールの山、リマーカブルスの上方まで上ってきたさそり座。2つの新星を、ご自身で探してみて下さい。きっと眠くなってくると思います。♪星が一つ、星が二つ、星が三つ・・・♪ グ・・・・・・・グ・・・・・・・ガァ・・・ガァ・・・・おっとシャッター開けすぎた(笑)。もう午前5時前ですから。

最後は210ミリ(銀塩換算315ミリ)レンズでアップ。双眼鏡で見るには丁度良い大きさまで小さくなってくれました。なんせ尾が90度以上あったのですから。ほんまにお化け彗星と言えると思います。



41日目(2007年2月24日)
昨日は朝まで頑張って撮影したので、身体がボロボロ。夜半前には睡魔に襲われたが、運良く天候は曇り。朝までビッグスリープと相成りました。



42日目(2007年2月25日夜〜26日朝)
とうとうあの日から27日が過ぎようとしている。「あの日」とは1月29日の夜のことで、30日未明に彗星とオーロラのランデブーを撮影する事が出来たのだった。太陽は27日周期で自転しており、前回のオーロラを出現させたコロナホールが再び同じ位置に戻ってきたのだ。天候も今一だったので朝まで自宅でオーロラ出現を待ったが、残念ながら高速太陽風はこれからやって来るようだ。26日夜に期待したい。



43日目(2007年2月26日夜〜27日夜明け前)
お〜い、オーロラは何処へ行ったぁ! おじさんは朝まで待っていたんだぞぉ。なのに午前6時前に帰宅して調べてみたら、高速太陽風が不発に終ったことを物語るグラフが、ショボショボの目に飛び込んできた。「ここまで空振りに終った事は無かったので、結構スッキリした」というのが率直な感想でございまする。
いつも通り50ミリレンズでISO800、露出300秒です。過去の画像と比較されてみて下さい。

そう言えば、この縦型構図は久しぶりと違いますやろうか。マクノート彗星は毎日小マゼラン星雲に近づいております。南十字が真上に来る時期になりましたなぁ。夏ももう終わりです。

2つの新星も元気なようです。探すの大変なので、各自でお願いします(笑)。

東から昇る天の川です。さそり座、射手座、木星、火星、黄道光、リギルケンタウルス、新星・・・と沢山写っています。写真下はアロータウンの街明かり。

対角魚眼レンズで沢山入れてみました。ケンタウルスαβ、南十字、バット星雲、エータカリーナ星雲、にせ十字、大小マゼラン雲、カノープス等。マクノート彗星は左下です。かなり小さくなりましたね。でもまだ肉眼で見えています。



44日目(2007年2月27日夜〜28日夜明け前)
皆様、一ヵ月半に渡り世紀の大彗星を追いかけて参りましたが、そろそろ月夜が続く関係で、被写体としての彗星は実質その明るさが足りなくなります。故に、暗夜での撮影チャンスも今日明日が峠であります。次回、暗夜が確保出来るのは3月10日になってからになります。既に7等級に入っていると思われますが、一体どの様な姿で再び出現してくれるか楽しみです。
ここ10日間で彗星核の色がエメラルドグリーン色に変わってきました。この後彗星は夜明けまで雲に覆われてしまいました。210ミリ(銀塩換算315ミリ)にて撮影。ISO1600で210秒露出



45日目(2007年2月28日というより3月1日夜明け前)
月が西の地平線に沈んだのが、3月1日午前3時55分頃。そして、満月に近い月はその後も暫く夜空を照らし続け、結局暗夜になったのは4時20分頃だっような気がする。という事で、明日からは月夜に突入。撮影は次の暗夜が確保出来る、3月10日以降となる事が決定。事実上の連続撮影は、これにて終了となります。しかし、4月に入ると小マゼラン星雲、NGC104星団とのランデブーもあるので、これからもチェックします。
まだ月明かりが残っている時の撮影なので、空が暗くないですね。実は右下にオーロラが見えていたのでとりあえず撮ってしまいました。しかし今回の太陽風は変わった吹き方をしました。1月30日早朝出現のオーロラから数えて27日目ではなく、それから48時間も遅れていましたから。

彗星の左上と右下にある白い線は、途中で消えて再び光った流れ星です。この撮影では何度も彗星の上を流れ星が横切りました。

少し絞ってシャープに撮ってみました。皆さん、この画像を覚えておいて下さい。次回の撮影は早くても10日後。その変化を見る為に。

では10日後までサヨナラ

皆様、長い間お付き合い下さり有難うございました。1月13日の近日点通過から天候が許す限り毎日出撃してみました。北半球から頂いたタスキをつないだだけの気持ちでやって参りましたが、それにしても「大化け」しましたね。これで安心して死ねます(笑)。しかし、最初の10日間の天気は呪われていました。恐るべしエルニーニョ。本当は1月19日、20日に撮りたかったですよ。

しかし、星ナビ3月号で2ページも頂戴したり、天文ガイド3月号では表紙に使って頂いたり、科学雑誌ニュートンからも依頼が来ました。またイギリス、フランス、アメリカの方からも依頼が来ました。雑誌名は長いので書きませんが、それにしても盛り上がりました。

しかし未だに肉眼で見えていますから、3月10日以降の暗夜で撮影も頑張ってみたいと思っています。お暇がありましたら、またのぞいてやって下さい。有難うございました。


サザンクロス★スターウォッチングツアー代表 米戸 実
ニュージーランド南島クィーンズタウンより

そうや、フィルムでも撮っているので現像に出さないとね。




月がいない夜が戻ってきましたので撮影を再開しました













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